マイナンバーと税務
マイナンバー制度の税務面での意味
マイナンバー(個人番号)は2016年1月から税・社会保障・災害対策の3分野で利用が開始された12桁の個人識別番号です。税務分野では、確定申告書・年末調整書類・支払調書・法定調書などにマイナンバーの記載が義務付けられ、税務署側は同一人物の収入情報を一括して名寄せできるようになりました。これにより、副業先A社・副業先B社・本業からの給与を別々に申告していたとしても、マイナンバーで紐付けされるため、申告漏れや無申告が以前と比べて格段に発覚しやすくなっています。
支払調書とマイナンバーの連動
支払調書は、企業がフリーランス・個人事業主に対して年間5万円超の報酬を支払った場合に税務署へ提出する法定調書で、支払い金額・氏名・住所・マイナンバーが記載されます。チャトレ・ライブ配信事務所・Web制作会社・出版社・広告代理店などはほぼ全て、支払調書を作成して税務署に提出しています。つまり、あなたが「申告していない副業収入」も、支払者側からはすでに税務署へ報告されている、というのが現実です。マイナンバーを通じて確定申告書とのマッチングが容易にできるため、無申告は2〜3年以内にほぼ確実に発覚します。
マイナンバーの提出義務と拒否のリスク
雇用主・業務委託先からマイナンバーの提出を求められた場合、提出義務があるのは確定申告書・支払調書・年末調整書類などの法定書類で、これを拒否しても税務当局からの直接的な罰則はありません。ただし、提出を拒否すると①支払調書に「未提出」と記載されて税務署側で異常を察知される、②先方の税務処理上、過剰なペナルティが先方に課される、③契約打ち切りの正当事由になる、というリスクがあります。本人確認書類とマイナンバーカード(または通知カード+身分証)の組み合わせで提示するのが標準で、拒否するメリットはほぼありません。
プライバシー保護と漏洩リスクへの備え
マイナンバーは「特定個人情報」として番号法(マイナンバー法)により厳格な保護対象です。事業者がマイナンバーを取得する際は、利用目的の明示・本人確認・漏洩防止措置(暗号化・施錠管理など)が義務付けられ、漏洩した場合は事業者に最大2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます。フリーランス側は、①マイナンバーの提出先と利用目的を必ず書面で確認、②不要になった時点での廃棄を要請、③ネット上での画像送信は避ける(暗号化チャネル経由か郵送が原則)、を徹底してください。万が一漏洩されてもマイナンバー自体は変更可能(要件あり)です。
— Belle Work 編集長 / 橘 美咲



