副業収入の証拠保全
証拠保全とは何のために必要か
副業収入の証拠保全とは、自分が得た副業収入の正当性を後から証明できる形で記録・保管しておくことです。確定申告の正確性を担保する、税務調査時に経費・売上の根拠を示す、報酬未払いトラブルの際に法的措置の証拠とする、契約条件の解釈で争いが生じた時の根拠資料にする、といった目的があります。所得税法では事業者に7年間の帳簿書類保存義務(青色申告では10年が望ましい)が課されており、保存が不十分だと税務調査で経費否認・売上推計課税といった不利益処分を受けるリスクがあります。
保存すべき証拠の3カテゴリー
証拠保全の対象は大きく3つに分類されます。①取引証憑(請求書・領収書・契約書・支払調書・銀行振込明細・電子取引データ)、②業務記録(業務日誌・配信ログ・納品物のスクリーンショット・メールやチャットの履歴)、③帳簿類(仕訳帳・総勘定元帳・売掛帳・買掛帳・経費精算書)、です。これらをデジタルで一元管理することが現代の主流で、Googleドライブ・Dropboxなどのクラウドストレージにフォルダを年度別・月別に整理して保存する運用が推奨されます。
電子取引データの保存ルール
2022年1月の電子帳簿保存法改正で、電子取引データ(メール添付の請求書PDF、ECサイトの領収書、PayPalの取引明細など)は、原則として電子のまま保存することが義務化されました。紙にプリントアウトしての保管は2024年1月から認められなくなり、違反すると青色申告の取消対象になります。電子データの保存要件は、①真実性の確保(タイムスタンプまたは訂正削除履歴の記録)、②可視性の確保(ディスプレイで速やかに表示できる、検索機能)、です。会計ソフトと連動した電子帳簿保存対応のシステムを使うと、要件を自動的に満たせます。
紛失した時の代替手段
証憑を紛失した場合の代替手段は、①取引相手に再発行依頼(請求書・領収書)、②銀行に通帳の取引明細再発行依頼(手数料500〜1,000円程度)、③クレジットカード会社に明細再発行依頼、④メール・チャットの履歴を発掘、⑤プラットフォーム(Amazon・楽天など)の購入履歴ダウンロード、⑥自分で取引内容を再構成した「経緯書」を作成、などです。税務署も紛失そのものは責めません(やむを得ない事情として認められる)。ただし、過度に多数の紛失や、特定の取引だけ証憑がない場合は、税務調査時に厳しく追求されます。日常的な保存ルールが何よりも大事です。
— Belle Work 編集長 / 橘 美咲




