医療費控除の活用
医療費控除の基本
医療費控除は、年間の医療費が一定額を超えた場合に、その超過分を所得から控除できる制度です。所得税法73条で定められ、自己または生計を一にする家族の医療費が対象になります。控除額の計算式は「実際に支払った医療費 − 保険金等で補填された金額 − 10万円(または所得の5%の少ない方)」で、最大200万円まで控除可能です。確定申告でしか適用できない(年末調整では不可)ので、会社員で副業をしていない方も、医療費が10万円超なら確定申告する価値があります。レシート・領収書を1年分保管しておくことが第一歩です。
対象になる医療費・ならない医療費
対象になる医療費は、①病院・歯科医院での診療費・治療費、②処方薬代、③通院のための交通費(電車・バス、緊急時のタクシー)、④治療用の医療器具(コンタクトレンズ・補聴器など)、⑤鍼灸・整体・あん摩マッサージ(治療目的)、⑥不妊治療、⑦出産・出産入院費、⑧レーシック手術、⑨インプラント治療、などです。一方、対象外は、①美容目的の整形手術・歯列矯正(成人の見た目改善)、②健康診断・人間ドック(病気が見つからなかった場合)、③ビタミン剤・健康サプリ(予防目的)、④マッサージ(疲労回復目的)、⑤通院のための自家用車のガソリン代、です。
セルフメディケーション税制との選択
医療費控除には特例として「セルフメディケーション税制」もあります。これは、健康診断や予防接種を受けている納税者が、対象となるOTC医薬品(薬局で買える指定の市販薬)を年間1.2万円超購入した場合に、超過分(最大8.8万円)を所得控除できる制度です。通常の医療費控除と選択適用(同じ年に併用は不可)で、医療費が少ないものの市販薬代が多い人に有利です。たとえば医療費5万円・指定OTC医薬品3万円の場合、通常の医療費控除では適用できませんが、セルフメディケーション税制なら1.8万円が控除対象になります。
副業女性が見落としがちな対象支出
副業をしている女性が見落としがちな医療費控除対象は、①不妊治療費(人工授精・体外受精は数十万〜数百万円単位)、②妊娠・出産関連費用(分娩費・入院費・通院交通費)、③歯科治療(一般的な虫歯治療・噛み合わせ治療)、④メンタルクリニックの診療費、⑤プチうつ・適応障害の通院費、⑥子供の歯列矯正(成長発育上必要な場合)、⑦花粉症・アレルギーの治療費、⑧コンタクトレンズの定期購入費(処方箋ありの場合)、です。これらは合算すると簡単に10万円を超えるので、家族全員分の領収書を年初から保管する習慣を持ってください。
— Belle Work 編集長 / 橘 美咲




