Z世代女性の副業観を取材|「稼ぐ」より「自分らしさ」へ変わる価値観の今
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Z世代の女性は、副業に「いくら稼ぐか」より「どう在りたいか」を求める傾向が強まっています。編集部が20〜26歳の女性に取材し、金額目標より自己表現や柔軟な働き方を重視する価値観の変化を、当事者の声で描きました。上の世代との違いや、その裏にある新しい悩みまで、業界15年の視点で整理します。
Z世代女性の副業観をどう見てきたか
「もっと稼ぎたい」より先に、別の言葉が出てくる。Z世代の女性に副業の話を聞くと、上の世代とは違う入り口が見えてきます。
① 「稼ぎたい」が第一声ではない世代
「なぜ副業を始めたのか」を20代前半の女性に聞くと、金額の話が最初に出ることは意外と少ないです。「自分に何が向いているか試したかった」「会社以外の居場所がほしかった」といった、収入以外の動機が先に語られます。生活のためという現実もありますが、それを「自分らしく働くこと」とセットで語るのが特徴です。
② 取材で浮かんだ三つのキーワード
20〜26歳の女性に話を聞くと、「自分らしさ」「柔軟さ」「つながり」という三つの言葉が繰り返し出てきました。大きく稼ぐことより、自分の価値観に合うか、生活のリズムを崩さないか、同じ関心を持つ人と関われるか。そうした基準で副業を選ぶ姿は、金額を第一に置いてきた上の世代とは手ざわりが違います。
「稼ぐ」より「自分らしさ」を選ぶ理由
なぜ「稼ぐ」が一番手前に来ないのか。取材で聞いた声を、理由ごとに整理します。
① 収入は目的でなく手段という感覚
Z世代の女性の多くは、お金を「増やすことそのものが目的」とは捉えていない印象です。欲しいのは、好きなことを続けられる余裕や、選択肢を持てる自由。収入はそのための手段という位置づけです。「月◯万円稼ぎたい」より「これができる状態でいたい」という語り方をする人が多い印象です。
② 好きなことを仕事の入り口にする
「得意」より「好き」から副業を選ぶ人が増えています。ハンドメイド、イラスト、動画編集、推し活の延長でのグッズ制作など、もともと熱中していたことをそのまま収入につなげる形です。稼げるかを先に計算するより、続けられるかを重視する。多少単価が低くても「やっていて苦にならない」ことを選ぶ、という声を多く聞きました。
③ 会社の肩書きに依存しない自己像
勤め先の名前で自分を語ることに、あまり価値を感じない人が増えている点も特徴です。会社はあくまで生活の一部で、そこに自分のすべてを預けない。副業は、その会社の外に「もう一つの自分」を持つための場になっています。肩書きより「何をしている人か」で自分を説明したい。その感覚が、副業を自己表現の場にしています。
編集部が聞いた、副業を始めた理由の傾向を整理すると次のようになります。
| 副業を始めた理由 | 語られ方の傾向 |
|---|---|
| 自分に合う働き方を試したい | 最も多く聞かれた |
| 好きなことを収入につなげたい | 若い層ほど多い |
| 会社以外の居場所がほしい | 在宅勤務の経験者に多い |
| 将来の収入源を分散したい | ここ数年で増加傾向 |
| まとまった金額を稼ぎたい | 上の世代より控えめ |
上の世代との価値観の違い
では、上の世代とは具体的に何が違うのか。取材と、15年見てきた現場の感覚を重ねて整理します。
① 「安定」の意味が変わった
上の世代にとっての安定は、一つの会社に長く勤めることでした。Z世代の女性が言う安定は、少し意味が違います。一つの収入源に頼りきらず、複数の選択肢を持っていること。会社が揺らいでも自分で動ける状態でいること。外に守ってもらう安定から、自分で作る安定へと、重心が移っているように感じます。
② お金の位置づけの違い
上の世代は「まず稼ぐ、そのうえで好きなことを」と考える傾向がありました。Z世代は順番が逆になりやすく、「好きなことを軸にして、その範囲で稼ぐ」と考える人が目立ちます。お金を我慢の対価とは捉えず、納得できる働き方の結果として受け取るもの、という感覚です。金額の大小より、稼ぎ方への納得感を重く見ます。
③ 成功のイメージのずれ
成功のイメージも世代でずれています。上の世代では、収入や役職の高さが分かりやすい成功の形でした。Z世代の女性が語る成功は、「自分のペースで機嫌よく続けられている状態」に近いものでした。派手さや金額より、無理なく自分らしくいられるか。ものさしそのものが変わっているため、評価の基準がかみ合いにくいのです。
| 観点 | 上の世代の傾向 | Z世代女性の傾向 |
|---|---|---|
| 副業の第一目的 | 収入を増やす | 自分らしさを試す |
| 安定の意味 | 一社に長く勤める | 収入源を分散する |
| お金の位置づけ | 目的そのもの | 暮らしを支える手段 |
| 成功のイメージ | 収入・役職の高さ | 納得して続けられる状態 |
柔軟な働き方を重視する背景
価値観の変化は、働き方の選び方にもはっきり表れます。柔軟さを重視する背景を掘り下げます。
① 時間と場所をしばられたくない
決まった時間に決まった場所へ、という縛りへの抵抗は、この世代でとくに強い印象です。在宅勤務やリモートを経験した人が多く、通勤や固定シフトを「当たり前」とは思っていません。副業を選ぶときも、スキマ時間でできるか、場所を選ばないかが基準になります。柔軟さは贅沢ではなく、続けるための前提条件でした。
② 一つに絞らない「複線」の発想
一つの仕事にすべてを賭けるより、小さな柱を複数持ちたい。そう考える人が増えています。本業に副業を一つ二つ重ね、状況に応じて比重を変えていく。どれかが合わなくなっても、ほかがあるから切り替えられる。この発想は、一社集中を良しとしてきた上の世代とは対照的です。
価値観の変化が生む新しい悩み
新しい価値観には、新しい悩みもついてきます。取材で見えた、この世代ならではのつまずきを整理します。
① 「自分らしさ」が曖昧なプレッシャーになる
「自分らしく働きたい」という言葉は前向きですが、その中身がはっきりしないと、かえって自分を追い込むことがあります。何が自分らしいのか分からないまま、周りの発信と比べて焦る。理想が高くなりすぎて動き出せなくなる。取材でも「自分らしさが分からなくて苦しい」という声は少なくありませんでした。
② 収入の不安定さと向き合いにくさ
好きなことを軸にする働き方は、収入が安定しにくい側面があります。月ごとの波が大きく、忙しい時期と暇な時期の差に戸惑う人も多いです。「やりたいこと」を優先するほど、金額の見通しは立てづらくなる。最低限いくら必要かを決めておかないと、好きなことすら続けられません。価値観だけでは乗り切れない課題です。
③ お金や税金の知識が後回しになりやすい
自己表現を優先するあまり、確定申告や経費、住民税といった実務が後回しになりがちな点も気になります。副業で一定の所得が出れば申告が必要になり、放置すると後で困ることになります。「難しそう」で先延ばしにせず、早い段階で基本を押さえておくと安心です。個別の状況は違うため、迷うときは税理士など専門家に相談することをおすすめします。
・毎月いくら必要かという生活費の最低ラインを決める
・「好き」だけでなく、続けられそうかも一度考える
・収入が出たら確定申告が必要になる可能性を知っておく
・本業の就業規則で副業が認められているか確認する
・迷ったときに相談できる相手や窓口を用意しておく
これからの副業とどう向き合うか
最後に、この価値観の変化と、私たちがどう付き合っていくかを考えます。
① 「自分らしさ」と生活の両立を設計する
自分らしさと生活は、どちらかを選ぶものではありません。好きなことを軸にしつつ、生活を支える最低限の収入は確保する。理想と現実の両方に居場所を作る設計が、長く続けるカギになります。取材でも、うまく続けている人ほど二つを分けて考え、比重を自分で調整していました。
② 情報を選ぶ力を育てる
副業の情報は玉石混交で、「簡単に稼げる」といった誘い文句も多く出回っています。価値観が柔らかい時期ほど、こうした発信に影響されやすい面があります。誰が、何のために発信しているのかを一歩引いて見る。うまい話には手間もリスクもある、という前提で選ぶ。この力が、自分らしい選択を守ります。
③ 世代の違いを対立にしない
価値観の違いは、どちらが正しいという話ではありません。稼ぐことを大切にしてきた世代にも、自分らしさを重んじる世代にも、それぞれの背景と合理性があります。違いを対立として語るのではなく、時代の変化として受け止める。編集部としても、どちらかを否定せず、それぞれの選択を尊重する形で伝えていきたいと考えています。
よくある質問
Z世代の女性は本当に「稼ぐこと」を重視していないのですか
お金を軽視しているわけではなく、位置づけが違うという印象です。収入は目的そのものより、好きなことを続けたり選択肢を持ったりするための手段として語られることが多く、金額より稼ぎ方への納得感を重視する傾向があります。
上の世代の副業観が間違っているということですか
そうは考えていません。稼ぐことを軸にしてきた世代には、その時代なりの背景と合理性があります。どちらが正しいというより、時代とともに価値観の重心が移ってきた、という捉え方が実態に近いと感じます。
「自分らしさ」を重視すると、収入は不安定になりませんか
好きなことを軸にする働き方は、収入の波が大きくなりやすい面があります。だからこそ、生活に必要な最低ラインを決めておくことや、収入源を一つに絞りすぎない工夫が大切になります。
若い世代が副業で気をつけるべきことは何ですか
「簡単に稼げる」といった誘い文句を鵜呑みにしないこと、確定申告など税務の基本を後回しにしないことが挙げられます。判断に迷うお金や税金のことは、早めに専門家へ相談すると安心です。
世代で価値観が違うと、職場で分かり合えないのでしょうか
違いを「どちらが正しいか」で捉えると対立になりがちですが、背景を知ると理解しやすくなります。稼ぎ方への考え方が変わってきているという前提を共有できれば、世代をまたいだ対話はしやすくなると考えています。
この記事を書いた人

橘 美咲
編集長
記事 109本
出版社で女性誌の編集を5年経験した後、ライブチャット・配信プロダクション業界の代理店事業に転身。Belle Work創刊編集長として、チャトレ・パパ活・在宅副業に関わる女性たちに向け、煽らず批判せず冷静に現実と知恵を伝える編集方針を貫く。法律監修・税務監修との連携で、女性たちの権利保護とコンプライアンス対応を重視。執筆・監修した記事は累計1,000本超。風営法・特商法・出会い系規制法・売春防止法の業界実務に詳しい。
- 執筆・監修1,000本超
専門領域業界コラム・法律・税務記事の編集/チャトレ・パパ活業界の実務/コンプライアンス




