報酬未払いへの対処法
まずは状況の整理から
報酬未払いに気づいた時は、まず冷静に状況を整理してください。「支払期日がいつだったか」「振込予定日を過ぎてどれくらい経過しているか」「契約書または合意の証拠があるか」「クライアントとの直近のやりとりはあるか」の4点を確認します。多忙な事業者の場合、単純な振込忘れや経理処理ミスで遅れているケースもあるので、最初は穏やかに「お振込状況のご確認をお願いします」と一報入れる程度から始めるのが実務的です。フリーランス保護新法では、業務受領から60日以内の支払いが義務化されており、これを超えた段階で違法状態に入ります。
内容証明郵便による正式督促
1〜2週間経っても入金がない、または相手と連絡が取れない場合は、内容証明郵便で正式な督促を行います。内容証明は、いつ・誰が・どのような内容の文書を送ったかを郵便局が証明してくれる制度で、訴訟になった場合の重要な証拠になります。書式は「未払金額」「支払期日」「期日までに支払われない場合は法的措置に移る旨」を明記し、配達証明付きで送付します。費用は1通あたり1,500〜2,000円程度。法律事務所に依頼する場合は、弁護士名義の内容証明で送ると、相手のプレッシャーは段違いに上がります。
少額訴訟・支払督促・調停の使い分け
内容証明でも反応がない場合、簡易裁判所の手続きに進みます。①少額訴訟:60万円以下の金銭請求で、原則1回の審理で判決が出る、訴訟費用も比較的安い(数千円)、②支払督促:相手の異議がなければ判決と同じ効力、書類審査のみで簡便、ただし異議が出ると通常訴訟へ移行、③民事調停:話し合いベースで解決を目指す、相手の協力が前提。報酬未払いの多くは少額訴訟または支払督促で十分対応可能です。判決が出れば強制執行(給与・口座の差押え)も可能になります。
公的窓口とフリーランス110番の活用
公的窓口として最も有用なのは、厚生労働省の「フリーランス・トラブル110番」(無料相談・電話・メール対応・全国対応)と、公正取引委員会・中小企業庁の下請法違反・フリーランス保護新法違反通報窓口です。後者は、悪質な事業者に対する公的勧告・社名公表につながるため、相手の事業者規模が大きい場合は強力な手段になります。各都道府県の弁護士会の「フリーランス・個人事業主向け無料法律相談」も活用してください。「裁判は大ごと」と尻込みしがちですが、上記の窓口経由で動くと、ほとんどのケースで実費数千円〜無料で解決まで進められます。
— Belle Work 編集長 / 橘 美咲





