著作権の基礎知識
著作権法とは何を守る法律か
著作権法は、思想または感情を創作的に表現した著作物(小説、写真、イラスト、音楽、動画、プログラム、ブログ記事など)の創作者に、無断利用を許さない独占的権利を認める法律です。1970年制定で、著作権は創作の瞬間に自動発生し、登録は不要で、原則として著作者の死後70年まで保護されます。無断複製・無断アップロード・無断翻案を行うと、刑事罰(10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金、法人は3億円以下)と民事の損害賠償の両方が科される強力な権利です。SNS発信・動画配信・写真投稿・記事執筆のすべての現場で、避けて通れない基礎知識です。
著作権に含まれる主な権利
著作権は単一の権利ではなく、複数の支分権の束として構成されています。代表的なものは、複製権(コピーする権利)、上演権・演奏権、公衆送信権(インターネットでの送信)、譲渡権・貸与権、翻訳権・翻案権です。これに加え、著作者本人に帰属する人格権として、公表権・氏名表示権・同一性保持権があり、こちらは譲渡できません。SNSでよくある「他人の写真を加工して投稿」「他人の文章を要約して引用元なしで掲載」「他人の動画から音源だけ抜き取って使用」は、いずれも複製権・公衆送信権・同一性保持権に同時に抵触する可能性があります。
引用と著作権侵害の境界
著作権法32条は「公表された著作物は、引用して利用することができる」と定め、一定の要件下で他人の著作物を使うことを認めています。要件は、①公表されたものであること、②引用部分が明瞭に区別されていること、③本文と引用部分の主従関係(本文が「主」、引用が「従」)、④引用の必要性、⑤出所の明示、の5つです。ブログ・SNSで他人のツイートをスクショして貼る場合も、原則は同じ要件を満たす必要があります。「画像1枚ぐらい良いだろう」「自分なりに編集したから別物」という認識が、もっとも訴訟リスクの高い感覚です。
チャトレ・配信・SNSでの注意点
女性向け配信・SNSの現場では、①BGMの著作権(JASRAC・NexTone管理)、②キャラクター画像の利用(ディズニー・サンリオなど)、③雑誌・写真集からのスクラップ転載、④他配信者の切り抜き動画の無断公開、⑤AI生成画像の元データ著作権、などが頻発するトラブルです。プラットフォームによっては音楽著作権を一括処理(YouTubeのContent IDなど)していますが、ライブチャットや個人サイトには適用されません。安全策は、①フリー素材サイト(Pixabay、Unsplash、写真ACなど)を使う、②商用利用可ライセンスを必ず確認する、③不安なら使わない——の3点です。
— Belle Work 編集長 / 橘 美咲


