法律

プロバイダ責任制限法

読み
プロバイダセキニンセイゲンホウ
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プロバイダ責任制限法とは

正式名称は「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」で、2002年に施行されました。インターネット上で誹謗中傷や著作権侵害といった権利侵害が起きたとき、被害者がサイト管理者やプロバイダに対して①投稿の削除、②発信者情報(IPアドレス・氏名・住所など)の開示を求めるための法的根拠を定めた法律です。2022年10月の大改正で、それまで二段階だった発信者情報の開示請求が裁判所への「発信者情報開示命令」として一本化され、被害者の負担が大幅に軽減されました。SNS時代の権利救済に欠かせない武器となっています。

削除請求と開示請求の流れ

削除請求は、まずサイト管理者(X、Instagram、5ch運営など)に対して送信防止措置の依頼を行い、当該投稿が「権利侵害である」と認められれば削除されます。応じてもらえない場合は、裁判所に削除仮処分を申立てる流れです。発信者情報開示は、2022年改正後の新制度で、「発信者情報開示命令」(非訟手続)を裁判所に申立て、サイト運営者に対する開示命令と、経由プロバイダ(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクなど)への開示命令を一体的に行えるようになりました。これにより、従来のように2回に分けて訴訟を起こす必要がなくなり、開示完了までの期間が約半年に短縮されています。

女性が被害者になる典型ケース

パパ活チャトレ・SNS発信業を営む女性が被害者になる典型は、①爆サイ・ホスラブ・5chへの誹謗中傷書込み、②X(旧Twitter)の裏アカでの個人情報晒し、③Google口コミでの偽レビュー、④掲示板にチャットの切り抜き画像が無断で貼られる、⑤本名・勤務先・自宅写真が特定アカウントから拡散される、などです。これらはすべて開示請求・損害賠償請求の対象になり、慰謝料の相場は1件あたり10万〜50万円、悪質な場合は100万円超の判決例もあります。「夜の仕事をしているから泣き寝入り」と諦める必要はまったくありません。

実際に動くときのポイント

まずは投稿のURL・スクリーンショット・投稿日時を保存することが何よりも重要です。多くのサイトはログ保存期間が短いため、動き出しが遅いと開示請求しても情報がすでに削除されているケースがあります。次に、ネット誹謗中傷案件に強い弁護士に相談してください(IT・人格権・発信者情報開示に注力している事務所が望ましい)。費用は弁護士費用+実費で30万〜80万円ほどが目安ですが、勝訴後の損害賠償でカバーできることも多いです。法テラス・自治体の弁護士会無料相談も窓口として有効です。被害が小さいうちに動くと、抑止効果も高まります。

ネット中傷の相談は、私のところに来る件数が年々増えています。10年前は「無視するしかない」が常識だった時代と違い、今は法律と手続きが圧倒的に被害者に味方する時代に変わりました。とくに2022年の改正で開示請求のハードルが下がってからは、「会社員の休日の暇つぶしで書いた」というレベルの加害者でも、半年後に弁護士から開示請求書が届き、賠償金と謝罪文を支払うはめになるケースが本当に増えています。逆に被害者側で大事なのは、絶対にスクリーンショットと投稿URLを残すこと、感情的に直接やり返さないこと、なるべく早く専門家に相談することの3つです。「夜職だから恥ずかしい」「自業自得と言われそう」と泣き寝入りする方が今もまだ多いですが、法律はあなたの職業に関係なく権利を守ってくれます。一緒に戦える仕組みは整っています。

— Belle Work 編集長 / 橘 美咲