副業

ダブルワーク

ダブルワークとは

ダブルワークとは、本業とは別にもうひとつの仕事を掛け持ちして働くスタイルのことです。副業という言葉が在宅ワークやフリーランス的な仕事も含む幅広い概念であるのに対し、ダブルワークは主に「雇用契約を結んで働く仕事を2つ以上同時に持つ」ケースを指すことが多く、パートやアルバイトを掛け持ちする働き方として使われる場面が目立ちます。具体的には、平日の日中は事務のパートで働き、週末はカフェのホールスタッフとして勤務するケースや、夜間の本業とは別に早朝だけ清掃のアルバイトを入れるケースなどが代表例です。収入を増やしたい、異なる業種の経験を積みたい、将来的な独立に向けてスキルを分散して身につけたいといった動機で選ばれることが多く、女性の働き方の選択肢のひとつとして関心を集めています。

ダブルワークのメリットと注意したい負担

ダブルワークの最大のメリットは、収入源をひとつに依存しない安心感が得られる点です。①一方の仕事のシフトが減っても、もう一方の収入で補いやすい、②異なる職場での経験が視野を広げる、③人間関係の悩みも一箇所に集中しにくい、といった利点が挙げられます。一方で、①2つの職場のシフトを同時に管理する手間、②移動時間や休憩時間の確保が難しくなること、③睡眠不足や疲労の蓄積による体調管理の難しさ、といった負担も無視できません。始める前には自分の体力や生活リズムと相談しながら、無理のない範囲でシフトを組むことが長く続けるコツになります。

労働時間・社会保険・税金の注意点

ダブルワークをするうえで見落とされがちなのが、労働時間や社会保険まわりのルールです。労働基準法上、複数の事業所で働く場合は労働時間を通算して法定時間外労働の扱いを判断する必要があり、一定時間を超えると割増賃金の対象になることがあります。また、それぞれの職場での労働時間や収入によっては社会保険(健康保険・厚生年金)の加入基準を満たすかどうかが変わり、年間の合計収入によっては確定申告が必要になるケースもあります。こうしたルールは働き方や収入額によって扱いが変わるため、不安がある場合は勤務先の担当部署や税理士・社会保険労務士など、個別の状況に応じた専門家に相談することをおすすめします。

ダブルワークを始める前に確認したいこと

ダブルワークを始める前には、まず本業(または主となる勤務先)の就業規則で副業・兼業が認められているかを確認しましょう。就業規則によっては届出が必要な場合や、同業他社での就労を禁止している場合もあります。そのうえで、2つの職場のシフト表をひとつのカレンダーで管理する仕組みを作っておくと、シフトの重複やうっかりミスを防ぎやすくなります。無理なく続けるためには最初から詰め込みすぎず、まずは週1〜2日など少ない頻度から試してみるのもひとつの方法です。

取材の中で出会った30代の女性は、平日はクリニックの受付事務、土日はホテルのフロントスタッフとしてダブルワークをしていました。「ひとつの職場だけだと収入もやりがいも偏ってしまう気がして」と話してくれた表情がとても印象的でした。無理に両立させようとせず、自分の体力と相談しながら働き方を調整している姿から、ダブルワークは”追い込む”ためではなく”選択肢を広げる”ための働き方なのだと感じた取材でした。

— Belle Work 取材ライター / 菊池 ゆり