契約書の必要性
契約書はなぜ必要か
契約書は、当事者間で合意した条件を文書として残し、後日のトラブルを防止・解決するための最重要ツールです。日本の民法では、口約束だけでも契約は成立しますが、「言った・言わない」になった瞬間に立証責任が発生し、証拠のない側が圧倒的に不利になります。契約書があれば、報酬額・納品物・期日・解除条件・知的財産権の帰属・秘密保持・紛争解決方法などを文書で固定でき、相手も自分も「合意した条件以外を要求できない」状態を作れます。フリーランス保護新法でも書面または電磁的方法による条件明示が義務化され、契約書を作る文化は急速に当たり前になっています。
最低限盛り込むべき必須項目
業務委託契約書に最低限入れるべき項目は、①当事者(発注者・受注者)の特定、②業務内容と納品物の定義、③報酬額と支払期日(受領後60日以内)、④納期、⑤検収・修正対応の範囲、⑥知的財産権の帰属(受注者帰属か発注者譲渡か)、⑦秘密保持義務、⑧反社会的勢力排除条項、⑨契約解除条件と予告期間(30日前予告が標準)、⑩管轄裁判所、⑪損害賠償の上限、の11項目です。これらをカバーしないと、後で「想定外の追加作業」「無償リテイク」「報酬の事後減額」などのトラブルにつながります。1ページの簡易契約書でも、ないよりは桁違いに安全です。
女性の副業で起きやすい契約トラブル
チャトレ・ライバー・モデル・SNS運用代行などの現場で頻発するトラブルは、①ノルマ未達による違約金請求、②契約期間の縛り(最低3年・違約金100万円など)、③肖像権・配信映像の二次利用範囲、④競業避止義務(他社配信禁止)、⑤プライベート情報を求められた、⑥事務所変更時のトラブル、などです。これらはすべて契約書のチェックの段階で予防できる項目で、契約締結前に弁護士またはフリーランス・トラブル110番に相談すれば数千円〜無料で確認できます。「とりあえず始めて、後で考える」が、もっとも危険なパターンです。
電子契約とテンプレート活用
近年は、クラウドサインなどの電子契約サービスが普及し、印紙税が不要、改ざん防止、保管が容易、という利点があります。電子帳簿保存法の改正で電子契約も法的効力は紙と完全に同等です。テンプレートは、経済産業省・中小企業庁が公開しているフリーランス向け契約書ひな形、各業界団体(日本動画配信協会、日本ライブストリーミング協会など)の標準契約書を活用するのが安全です。テンプレートをそのまま使うのではなく、自分の業務実態に合わせて修正し、可能であれば弁護士・行政書士に最終チェックを依頼することを強く推奨します。1万〜3万円のコストで一生役立つ書類になります。
— Belle Work 編集長 / 橘 美咲




