名誉毀損・誹謗中傷対策
名誉毀損罪と侮辱罪の違い
名誉毀損罪(刑法230条)は、事実を摘示して公然と他人の社会的評価を低下させる罪で、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。一方、侮辱罪(刑法231条)は、事実を示さず公然と人を侮辱する罪で、2022年改正で1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金へと厳罰化されました。両者の違いは「具体的な事実が示されているか」で、「●●はチャトレで月100万稼いでるブス」は名誉毀損、「ブス、消えろ」は侮辱罪に該当します。SNS時代になって、両罪とも警察の動きが格段に速くなり、実刑判決や略式起訴が珍しくなくなっています。被害者にとっては救済の選択肢が広がっている点が大きな変化です。
民事上の責任と慰謝料相場
名誉毀損・侮辱は、刑事処分とは別に民事上の損害賠償請求の対象にもなります。慰謝料の相場は、SNS上の単発投稿で10万〜30万円、職業上の社会的信用を毀損する内容で30万〜100万円、本名・顔・住所が結びついた個人情報暴露を含むケースで100万円超の判決例もあります。さらに、加害者特定のために発信者情報開示請求を行った場合の弁護士費用・調査費用(30万〜80万円)も損害賠償の対象として認められることが多く、実質的には100万円超の請求が現実的なラインです。「炎上」「叩き」のつもりで書き込んだ一言が、人生レベルのコストになり得ます。
女性が標的になりやすいパターン
女性向け業界(チャトレ・パパ活・モデル・SNS発信業)で典型的な被害は、①爆サイ・ホスラブ・5chの女性版(ガールズちゃんねる)への中傷スレ、②X(旧Twitter)の裏アカでの個人特定・拡散、③Google口コミでの悪意ある低評価、④掲示板への配信切り抜き画像投稿、⑤元交際相手からのリベンジポルノに近い投稿——などです。匿名性が高い掲示板でも、開示請求の整備により発信者特定はかなり容易になり、判決例ではログイン型SNSの場合、ほぼ確実に契約者本人まで辿り着きます。「匿名だから大丈夫」は今や完全な過去の認識です。
被害を受けた時の動き方
被害を発見したら、まず投稿のURL・スクリーンショット・投稿日時を完全な形で保存してください(できればURLバーまで写ったフルスクリーンショット)。次に、ネット人格権訴訟に強い弁護士に相談し、削除請求と発信者情報開示命令申立てを並行して進めます。費用は30万〜80万円が目安ですが、勝訴後の損害賠償でカバーできることが多く、自治体・弁護士会の「インターネット人権侵害」無料相談から入ると敷居が低いです。「内容が事実だから泣き寝入り」と思いがちですが、たとえ事実でも公益性・公共性・真実性の3要件を満たさない暴露は名誉毀損として違法です。一人で悩まずに動いてください。
— Belle Work 編集長 / 橘 美咲



