準確定申告
準確定申告とは
準確定申告は、確定申告が必要な人が年の途中で亡くなった場合に、相続人がその年の1月1日から死亡日までの所得について行う確定申告のことです。所得税法124条・125条で定められた手続きで、通常の確定申告期限(翌年3月15日)ではなく「死亡を知った日の翌日から4か月以内」が申告・納付期限となります。被相続人が個人事業主・フリーランス・配信者・SNS発信者として収入を得ていた場合は、ほぼ確実に準確定申告が必要です。期限を過ぎると、無申告加算税・延滞税が相続人に課されるため、早急な対応が必要です。
準確定申告が必要なケース
準確定申告が必要となる主なケースは、①事業所得・不動産所得がある個人事業主が亡くなった場合、②給与所得が2,000万円超の会社員が亡くなった場合、③公的年金等の収入が400万円超で他の所得が20万円超の年金受給者が亡くなった場合、④医療費控除・寄附金控除・住宅ローン控除などで還付を受けられる可能性がある場合、です。チャトレ・ライバー・SNS発信業のように事業所得・雑所得がある方が亡くなった場合は、相続人がその年の所得を集計して申告する義務があります。逆に、給与所得のみで源泉徴収済みの場合は不要なケースが多いです。
手続きの流れと必要書類
準確定申告の手続きは、①相続人全員の確認(複数いる場合は全員連署)、②被相続人の所得・経費の集計(1月1日〜死亡日まで)、③確定申告書を作成(通常の様式に「準確定申告書」と朱書き)、④付表(相続人の連署・各人の相続割合)の作成、⑤被相続人の納税地の所轄税務署に提出、⑥納付(相続人が法定相続分で按分負担)、という流れです。必要書類は、①被相続人の収支内訳書・青色申告決算書、②源泉徴収票・支払調書、③医療費明細・各種控除証明、④相続人全員の住民票、⑤戸籍謄本、です。複雑なため税理士への依頼が一般的です。
準確定申告で発生する納税負担
準確定申告で算定された所得税は、被相続人が支払うのではなく、相続人が法定相続分に応じて納付します。同時に、住民税は1月1日時点で生存していた場合のみ翌年に課税されるため、年の途中で亡くなった方の準確定申告では住民税の納付は発生しません。納付された所得税・住民税は相続税の計算上「債務控除」として控除可能で、二重課税を避ける仕組みになっています。なお、被相続人が青色申告者だった場合、青色申告の特典(65万円控除等)は準確定申告でも引き続き適用されます。
— Belle Work 編集長 / 橘 美咲





