法定福利費

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法定福利費とは何か

法定福利費とは、法律で事業者に拠出が義務付けられている社会保険料・労働保険料の事業者負担分の総称です。具体的には、①健康保険料(協会けんぽ・組合健保)、②厚生年金保険料、③介護保険料(40歳以上)、④雇用保険料、⑤労災保険料、⑥子ども・子育て拠出金の6種類で、おおむね給与総額の15〜16%が事業者の追加負担になります。会社員にとっては「自分の給与から天引きされている社会保険料と、ほぼ同額を会社も負担している」という事実が知られていない場合が多く、独立や法人化を考える時に初めて意識する税金です。

社員雇用と業務委託の違い

業務委託契約のフリーランスは「事業者」扱いなので、発注者には法定福利費の負担義務がありません。これが、近年フリーランス活用が急増している経済合理的な理由のひとつです。逆に、形式的には業務委託でも実態が労働者性を帯びている場合(指揮命令あり、勤務時間指定、業務内容指定、独立性なし)、後日「実は雇用関係であった」と認定され、過去分の社会保険料の事業者負担分が遡及して請求されるリスクがあります。年金事務所・労働基準監督署の調査で発覚するケースが多く、法人にとっては数千万円規模の負担になり得ます。

チャトレ・ライバー事務所の実態

チャトレ事務所・ライブ配信代理店の多くは、出演者を業務委託契約として運営し、報酬の40〜60%を「事務所取り分」「報酬還元率」として控除しています。この構造下では事務所側に法定福利費の負担はありません。一方、出演者側は国民健康保険・国民年金を自分で全額負担する必要があり、扶養から外れる年収(130万円超、または106万円超で勤め先要件あり)に達すると、月3〜5万円の保険料が発生します。事業所得として申告する場合、これらの保険料は社会保険料控除として全額所得控除の対象になります。

独立・法人化時に押さえるべきポイント

年商が大きくなり法人化を検討する場合、自分自身に役員報酬を支払うと、その給与に対して健康保険・厚生年金の加入義務が発生し、約30%(本人+会社負担で)の社会保険料が必要になります。一方で、厚生年金は国民年金よりも将来の年金額が増え、健康保険は協会けんぽや組合健保で保障が手厚くなります。社員を雇用する場合は、就業規則の整備・労災加入・雇用保険料率の自治体ごとの確認が必要で、法定福利費の概算を月給の15%として人件費予算に組み込みます。法定福利費を「コスト」ではなく「将来の安心料」と捉える発想が重要です。

法定福利費は、会社員時代には自分の給与明細だけ見ていて、会社が裏でいくら負担しているかを意識する機会が少ない費目です。私が15年代理店業界を見てきて、女性が独立や法人化を考える時、いちばん見落としがちなのがここ。年商1,000万円のチャトレ法人を作って役員報酬600万円に設定すると、自分自身の社会保険料負担+法人負担で約180万円、というのが現実の数字です。「個人事業主のままのほうが手取りが多い」というケースも多々ありますが、年金の将来額や健康保険の保障内容が違うので、単純な金額比較ではなく「老後の安心」「医療保障」も含めた総合判断が大事です。あとひとつ、業務委託契約で複数の女性を抱えている事務所さんは要注意。実態が雇用に近いと判断されて、法定福利費の遡及請求が来る事例が増えています。グレーな状態で放置せず、必要なら社労士・税理士に1回相談する勇気を持ってください。

— Belle Work 編集長 / 橘 美咲

✍️ 執筆:橘 美咲 / Belle Work 編集長|元女性誌編集者→ライブチャット代理店15年

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Synonyms:
ホウテイフクリヒ

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