副業女性の予定納税とは|対象になる条件・通知の見方・払えない時の対応【税理士監修】

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副業所得が伸びた翌年、税務署から届く「予定納税」の通知に戸惑う女性は少なくありません。予定納税とは何のための制度か、対象になる条件、6月ごろ届く通知書の見方と納付スケジュール、所得が下がりそうなときの減額申請、期限までに払えないときの相談先までを業界15年の編集長視点で整理しました。税務の最終判断は税理士など専門家にご相談ください。

目次

  1. 予定納税のしくみと目的
  2. 対象になる条件と判定
  3. 通知書の見方と納付スケジュール
  4. 所得が減りそうなときの減額申請
  5. 払えないときの相談先と猶予制度
  6. 確定申告での精算と翌年への備え

予定納税のしくみと目的

予定納税は、いわば「前払いの所得税」です。まず何のための制度かを押さえておくと、通知が届いても落ち着いて対応できます。

① 所得税を前もって納める前払い制度

予定納税は、その年の所得税の一部を、確定申告を待たずにあらかじめ納める制度です。前年の実績をもとに国が金額を計算し、税務署から通知が届きます。1年分の税金を確定申告時に一度で納める負担をならす目的があり、副業やフリーランスの所得が伸びた翌年に、初めて対象になる女性が多いです。

② 会社員の源泉徴収との違い

給与から毎月天引きされる源泉徴収と違い、予定納税は自分で納付書や口座振替を使って納めます。自動では引かれないため、納期を自分で管理する必要があります。副業を始めて給与以外の所得が増えると、源泉徴収だけでは足りず、予定納税という形で前払いを求められることになります。

③ 前払いした分は確定申告で精算される

予定納税で納めた金額は、あくまで前払いです。翌年の確定申告で1年分の所得税を計算し、そこから予定納税額を差し引きます。納めすぎていれば還付され、足りなければ差額を納めます。損をするわけではなく、支払いのタイミングが前倒しになるだけだと理解しておくと安心です。

対象になる条件と判定

予定納税は、誰にでも届くわけではありません。前年の所得税額が一定の基準を超えた人だけが対象になります。

① 予定納税基準額が15万円以上で対象

対象かどうかは「予定納税基準額」で決まります。原則として前年分の申告納税額(源泉徴収された税額を差し引いた後の所得税および復興特別所得税の額)がこれにあたり、この金額が15万円以上になると予定納税の対象です。15万円未満なら通知は届きません。副業所得が伸びて前年の納税額が増えた女性が、翌年に初めて対象になるパターンが目立ちます。

② 変動の大きい所得は基準額から除かれる

予定納税基準額の計算では、譲渡所得・一時所得・雑所得や、臨時に生じた所得などは原則として除いて計算されます。毎年続くとは限らない所得まで前払いの対象にすると、負担が実態と合わなくなるためです。そのため、確定申告での納税額と予定納税基準額は必ずしも一致しません。

③ 判定はあくまで前年実績ベース

予定納税の金額は、前年の実績をもとに機械的に計算されます。今年の見込みが前年より低くても、いったんは前年ベースで通知が届きます。今年の所得が下がりそうなときは、後述の減額申請で調整できます。区分の判断は個別の事情で異なるため、正確な判断は税理士など専門家にご相談ください。

通知書の見方と納付スケジュール

6月ごろに税務署から届く通知書には、納める金額と期限が記されています。読み方と日程を先に押さえておきましょう。

① 6月中旬ごろに届く通知書の中身

予定納税の対象者には、その年の6月中旬ごろに税務署から「予定納税額の通知書」が送られます。通知には予定納税基準額と、第1期分・第2期分それぞれで納める金額が記載されています。金額は基準額の3分の1ずつが原則です。届いたら、まず金額と納期限を確認しておきましょう。

② 第1期・第2期の2回に分けて納付

予定納税は年2回に分けて納めます。第1期分は7月、第2期分は11月が納期の目安で、それぞれ予定納税基準額の3分の1ずつです。納付書での窓口払いのほか、口座振替、e-Taxやクレジットカード納付なども利用でき、口座振替にしておくと納め忘れを防ぎやすいです。

区分納付時期の目安納付額の目安
第1期分7月1日〜7月31日予定納税基準額の3分の1
第2期分11月1日〜11月30日予定納税基準額の3分の1
残りの3分の1翌年の確定申告時年間税額と精算

③ 納め忘れは延滞税につながる

納期限を過ぎると、原則として延滞税がかかります。予定納税は自分で管理する必要があるため、通知が届いた時点でカレンダーに納期を書き込んでおくと安心です。うっかり忘れそうな人は、口座振替を申し込んでおくと自動で引き落とされ、延滞税のリスクを減らせます。

所得が減りそうなときの減額申請

今年の所得が前年より下がりそうなら、前払いの金額を減らせる「減額申請」という制度があります。知らないまま満額を払う必要はありません。

① 減額申請ができるケース

廃業・休業・業況不振、災害や病気、扶養家族が増えたといった事情で、今年の所得や税額が前年より減る見込みのときは、予定納税額の減額を申請できます。副業の受注が落ち込んだ年や、産休・育休で収入が下がる年などが典型です。申請が認められれば、前払いの負担を実態に近づけられます。

② 申請の期限と手続き

減額申請には期限があります。第1期分・第2期分の両方を減らす場合はその年の7月15日まで、第2期分のみを減らす場合は11月15日までが目安です。「予定納税額の減額申請書」に、その年の所得や税額の見積りを記入して税務署に提出します。見積りの根拠となる資料をそろえておくとスムーズです。

減額申請を検討するときのチェックリスト
・今年の所得が前年より下がる見込みか
・廃業・休業・業況不振などの事情があるか
・第1期分を含めるなら7月15日までに申請できるか
・所得と税額の見積りを説明できる資料があるか

③ 見積りは無理なく現実的に

減額申請では今年の所得を自分で見積もりますが、実際より大幅に低く見積もると、確定申告で差額を一度に納めることになりかねません。あくまで現実的な見込みで申請することが、あとの資金繰りを楽にします。判断に迷うときは、個別の事情で取扱いが異なるため、正確な判断は税理士など専門家にご相談ください。

払えないときの相談先と猶予制度

通知の金額が思ったより高く、期限までに払えないこともあります。放置せず、まず相談することが自分を守る近道です。

① まずは税務署へ早めに相談

納期限までに納付が難しいときは、期限を過ぎる前に管轄の税務署へ相談することが第一歩です。放置して滞納になると延滞税が積み上がり、督促の対象にもなります。事情を伝えれば、分割での納付や後述の猶予制度を案内してもらえることがあります。相談は早いほど選べる手段が増えます。

② 納税の猶予・換価の猶予という制度

災害や病気、事業の著しい不振などで一時的に納付が難しいときは、「納税の猶予」や「換価の猶予」といった制度を申請できる場合があります。認められると、一定期間の分割納付が可能になったり、延滞税が軽減されたりします。要件や必要書類があるため、窓口で自分が対象になるかを確認することをおすすめします。

手段使える場面ポイント
分割納付の相談期限までに全額は難しい早めの相談が前提
換価の猶予一括だと事業継続が困難原則1年・延滞税の軽減
納税の猶予災害・病気など特別な事情要件と申請書類が必要

③ 減額申請と組み合わせて負担を下げる

そもそも今年の所得が下がる見込みなら、払えないと悩む前に、減額申請で前払い額そのものを下げられないかを考えます。減額で金額を実態に近づけ、それでも厳しい分を猶予や分割で調整するという順番が現実的です。使える制度は状況で変わるため、正確な判断は税理士や税務署の窓口にご相談ください。

確定申告での精算と翌年への備え

予定納税は前払いにすぎません。最後は確定申告で精算され、その経験が翌年の見通しにもつながります。

① 予定納税額は確定申告で差し引く

翌年の確定申告では、1年分の所得税を計算したうえで、すでに納めた予定納税額を差し引きます。予定納税で払いすぎていれば差額が還付され、足りなければ残りを納めます。確定申告書には予定納税額の記入欄があるため、通知書や納付の控えを保管しておきましょう。

② 還付になるケースと注意点

今年の所得が前年より大きく下がった場合などは、予定納税で納めすぎとなり、確定申告で還付されることがあります。ただし還付は申告して初めて受けられます。予定納税を納めた年は、たとえ最終的な税額が低くても、確定申告を忘れずに行うことが払い過ぎを取り戻す条件になります。

③ 翌年も対象になるかを見込んでおく

副業所得が伸びた年は、翌年も予定納税の対象になる可能性が高いです。前年の納税額が15万円以上になりそうだと感じたら、あらかじめ納税用の資金を分けておくと、通知が届いても慌てずに済みます。年間を通して所得と税額の見込みを把握しておくことが、資金繰りの安心につながります。

よくある質問

予定納税の通知が届きました。必ず払わないといけませんか。

通知は前年の実績にもとづく正式な納付案内なので、原則として納める必要があります。今年の所得が下がる見込みなら、期限内に減額申請をすることで金額を調整できます。

副業を始めたばかりですが、いきなり予定納税は来ますか。

予定納税は前年の実績で判定されるため、始めた初年度にいきなり届くことは通常ありません。前年の申告納税額が15万円以上になった翌年から対象になるのが一般的です。

予定納税を払うと、税金を二重に払うことになりませんか。

二重にはなりません。予定納税は前払いで、翌年の確定申告で年間の所得税額から差し引かれます。納めすぎた分は還付されるため、支払いの時期が前倒しになるだけです。

減額申請はどんなときにできますか。

廃業・休業・業況不振、災害や病気などで今年の所得や税額が前年より減る見込みのときにできます。第1期分を含める場合は7月15日まで、第2期分のみなら11月15日までが目安です。

期限までにどうしても払えないときはどうすればいいですか。

滞納になる前に税務署へ相談してください。分割納付や、換価の猶予・納税の猶予といった制度を案内してもらえることがあります。早めの相談ほど、選べる手段が増えます。

私はライブチャット代理店で15年、副業やフリーランスとして自分でお金を得る女性たちの相談を、税務の場面でいくつも見てきました。なかでも、副業所得がぐっと伸びた翌年に「税務署から見慣れない通知が届いた」と青ざめて連絡をくれる方は少なくありません。予定納税という言葉を初めて知り、二重に取られるのではと不安になっていたケースも何度もありました。

この記事で私が伝えたかったのは、予定納税は罰でも余分な負担でもなく、あくまで「前払い」だということです。仕組みを知り、所得が下がりそうなら減額申請を、払うのが難しいなら早めの相談を選べば、慌てずにコントロールできます。怖いのは制度そのものより、知らないまま放置してしまうことです。

副業で自分の力を伸ばし、納税額が増えるほどの所得を得たこと自体、胸を張ってよい成果です。前払いの通知に振り回されず、必要なところは税理士や税務署に頼りながら、あなたのペースで事業を続けていってください。まずは前年の納税額と今年の見込みを、一度並べて眺めるところから始めてみましょう。

— Belle Work 編集長 / 橘 美咲

✍️ 執筆:橘 美咲(たちばな みさき) / Belle Work 編集長|元女性誌編集者→ライブチャット代理店15年。業界キャリア15年・執筆/監修1,000本超
📅 公開日:2026年7月22日
🏷️ カテゴリ:お金・税金

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